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【弁護士の就職と転職」note】採用担当パートナーとの対話:新卒か?第二新卒か?

採用担当パートナー
「合格発表前の今の時期に新卒採用活動をすることについてどう思う?」

西田
「ひとり採用するだけですよね?」

採用担当パートナー
「そう。」

西田
「この時期に、たったひとりの良い修習予定者を新卒で確保するのは大変だと思います。大手事務所が何十人規模で内定を出すのと競うのは無謀ですよ。」

採用担当パートナー
「やっぱり、司法試験前に、予備試験合格者を採用しておけばよかったな。」

西田
「いや、それもあまりお勧めできないですよね。結局、司法試験が終われば、大手事務所を見たくなってしまうことは、内定者についても変わらないので。」

採用担当パートナー
「オファーレターにサインまでもらっておくことを想定しているんだけど。」

西田
「今、『予備試験合格発表後に受諾してしまった中規模事務所の内定をどうしたら辞退できますか?』という相談が相次いで来ているので、サインをもらっていても全然安泰じゃないですね。」

採用担当パートナー
「受諾した内定をキャンセルさせるような手助けは辞めてほしいんだけどね。」

西田
「でも、彼・彼女らも、自分の一生がかかっていると思って真剣なので、気持ちが離れてしまった内定先事務所に行かせるのは、ぼくがアドバイスしなくても、難しくなってしまっていると思います。」

採用担当パートナー
「でも、外資系事務所なんかも新卒採用はしてるんでしょ?」

西田
「新卒採用をしている外資系事務所は限られてくると思いますが、ひとつの方法は、大手事務所よりも高い初任給を設定する、という方法はありますよね。初任給で1000万円台中盤の年俸を提示したら、それはインパクトあるので。」

採用担当パートナー
「もし、新卒でいい人を採用できるならば、それがベストなんだけどね。」

西田
「そのお気持ちはわかります。真っ新な新人をゼロから教育する、というのが、弁護士の教育の王道だと思います。事務所のカルチャーを受け継いでもらうためにも、新卒採用には根強い人気がありますよね。」

採用担当パートナー
「それに中途採用で来てくれた人って、やっぱり、『辞め癖』が付いてない?嫌なことがあると簡単に辞めちゃう、とか。」

西田
「それは、新卒採用したZ世代のアソシエイトに対してよく聞かれる愚痴ですね。そういう意味では、自分の事務所で『社会人としての洗礼』を浴びせるのを避けて、新卒採用を控える事務所も出てきていますね。そして『うちよりも、もっと劣悪な環境で働かされているアソシエイト』を探しきてほしい、って頼まれることがあります。『前の事務所よりもうちの快適だと思ってくれるはずだ』って。」

採用担当パートナー
「確かに、少しでも働いてくれている候補者の方が、面接をしても、この人がどんな人かをイメージしやすいよね。」

西田
「はい。修習中の経験についても話を聞くことができるし。」

採用担当パートナー
「修習前に内定を出しても、修習中に裁判所に奪われちゃうリスクもあるよね。そういえば、西田さんは、以前、『裁判所は法律事務所から内定をもらっている人だけを採用する』って言っていたよね。あれは本当?」

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