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(備忘録)リーガルテック企業の「第二世代」の候補者をどこに求めるべきか?

リーガルテックは、コロナ禍を通じて、急速な発展を遂げている。そのための採用の相談を受けるのは嬉しいことだが、「誰に声をかけるべきか?」は中々悩ましい。

人材紹介業には、リクルータ(採用側アドバイザー)としての側面と、キャリアコンサルタント(転職希望者側アドバイザー)の側面の二面がある。

リクルータとしての側面からすれば、
― 資質がありそうな候補者に声をかけて、興味や関心を引き出す、
という方向のプロセスを辿ることになる。

キャリアコンサルタントとしての側面からすれば、
― ポジションに興味を抱く候補者のニーズに応えて、採用側企業に採用を働きかける、
という方向のプロセスを辿ることになる。

リーガルテック企業の採用対象となりうる潜在的候補者群を、抽象化して「弁護士業務センスの高低」と「ビジネスセンスの高低」で図表化したら、当然に、「弁護士業務センスも高く、ビジネスセンスも高い」という群に位置する者が高い適性を備えたベスト候補者となる。でも、この群に位置する優秀な候補者にとっては、「他者が作った会社に雇われること」に対するアップサイドを見出してくれにくい(普通に弁護士業務を続けても成功するだろうし、ビジネスに転じるならば、自分で起業してアップサイドを狙いたくなってしまう)。

反対に、「弁護士業務センスも低く、ビジネスセンスも低い」という群に位置する者には、明らかに適性がないので、勧誘の対象外となる。

では、セカンドベストの候補者をどこに求めることになるか?

リクルータとしての側面を強調すれば、
― 「弁護士業務センスは高いが、ビジネスセンスはまだ低い」という群に位置する者
を狙うことになる。「ビジネスセンスは、会社に入ってからの実務経験の中で磨いていくことができるのではないか」という期待を込めて。

キャリアコンサルタントとしての側面からは、
― 「弁護士業務センスは低いが、ビジネスセンスは(少なくとも主観的には)高い」という群に位置する者
からの応募意欲を示されることに対して、どこまで、それを採用企業側に売り込むことができるか?という問題を抱える。

「やる気」があるのは良いことなのだが、「弁護士業務センスがイマイチな人が、リーガルテック企業で活躍できるのか?」という点に個人的には疑問が残る。法律事務所で働いていても開花しなかった弁護士業務センスが、企業に入ってから開花するものだろうか?(リーガルテック企業は「法律事務所で芽が出ないような弁護士の受け皿」ではなく、むしろ、「『弁護士業務センス』+『ビジネスセンス』の、より高度なセンスが求められている」という理解である。)

そう考えると、「自分には特に関心がない」と断れられ続けても、「弁護士業務センスが高い」の群の候補者に粘り強く声をかけ続けることが大事なのかなぁ。。。。

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