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『ひまわり求人ナビ』を読む(7)増田パートナーズ法律事務所を題材として

大手法律事務所からのスピンアウト系を探して、ひまわり求人の検索結果を見ると、西村総合(西村あさひ)出身の増田英次弁護士(42期)が設立された増田パートナーズ法律事務所の名前が見付かる。

代表の増田弁護士には、インターネット上で、こんなプロフィールが掲載されている。

増田英次プロフィール

「法律事務所を経営する傍ら」「写真家として、スポーツ写真・水中写真を撮り続けている」と紹介されるような弁護士は、日本唯一の存在だろう。

もっとも、転職を検討するアソシエイトにとっての関心事項は、「代表弁護士が写真家として一流か?」ではなく、「弁護士として一流か?」である。

増田パートナーズのウェブサイトを開いてみると、2008年の事務所立上げ時の「志(ミッション)」として、

クライアントの皆様の「真」のニーズに即して、良質のリーガルサービスを的確かつ迅速にご提供すること

と掲げられている。多くの企業法務系弁護士が目指すところだが、ウェブサイトには、それが実践されていることを示すものとして、外国クライアントからの手紙が掲載されている。

I have to praise you and your Company for being very sensitive to our needs responding quickly and very professionally. The final result was good thanks to you.
Not only are you a great Lawyer but in our opinion you are also a good man.
PS. I will definitely recommend you and your Law Firm to anyone in Japan and especially to all foreign residents in Japan in need of your professional help.

このクライアントの言葉通り、2009年以降、Best Lawyers in Japan、Legal 500 Asia Pacific、 IFLR1000、Asian Legal Business(ALB) Japan Law Awards、Asia Business Law Journal等を受賞している経歴がウェブサイト上にも紹介されている。

代表の増田弁護士は、コンプライアンス分野で多数の著書があり、2021年からは、野村證券株式会社の取締役(社外)監査等委員を務められている。

野村證券取締役名簿

日本を代表する証券会社では、他に、2020年に検事総長を退任された稲田伸夫弁護士も監査等委員に名を連ねていることからも、日本最高水準のコンプライアンスの専門家であることが推認される。

代表以外のパートナーに目を向けてみると、小林康恵弁護士(50期)は、知財法分野の専門家であることが示されている。

ウェブサイトに掲載されている経歴からは、日本のエンタテイメント法の第一人者である内藤篤弁護士の内藤清水(現在の青山綜合)で修行を積み、濱田松本(現在の森・濱田松本)で一人前になったことを読み取ることができ、増田パートナーズ入所後には、「著作権法コンメンタール」等の執筆にも携わっておられる。

もう1人のパートナーである松葉知久弁護士(57期)は、金融庁の任期付職員も経験した後に、増田パートナーズに入所されて、パートナーへと内部昇進されたことが示されている(企業法務系事務所において、パートナーの内部昇進者がいる、というのは、転職を検討するアソシエイトにとって、キャリアの理想型を示してくれる先例となるだろう)。

パートナー以外にも、増田パートナーズには、ベテランで注目すべき弁護士が所属していることが目を引く。メリルリンチ日本證券でジェネラルカウンセルと取締役まで務められ、統合後には、バンク・オブ・アメリカグループの日本拠点の法務部門の統括責任者を務められていた天野正人弁護士(36期)である。

アソシエイト7名の略歴を見てみると、金融機関出身の弁護士、新卒入所で留学中の弁護士、事業会社出身の弁護士、裁判官出身の弁護士など多様なメンバーを揃えており、それぞれのバックグラウンドを活かした活躍がなされていることが推察される。

これらウェブサイト上から読み取れる前提知識を踏まえた上で、改めて、ひまわり求人の採用情報を見てみると、

取扱事件等

という記載からイメージできることも広がってくるのではないだろうか。

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