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『ひまわり求人ナビ』を読む(3)法律事務所の求人(概観)

2022年3月18日現在で、「法律事務所用」を検索すると、444件の事務所の求人情報が並ぶ。

https://www.bengoshikai.jp/kyujin/link06.php

リストには、大手法律事務所の名前は見当たらない。しかし、一般民事系だけでなく、企業法務でも、一流の経験を積むための修行ができそうな事務所をいくつも見付けることができる。

「企業・団体用」の時と同様に、「法律事務所用」にも「欧米系」の東京オフィスの求人情報を見付けることができる。
英国系のアシャーストの東京オフィスの求人情報が載っているだけでなく、米国系では、シドリーオースティンやモルガンルイスの東京オフィスの求人情報も見付けられる。米国系と英国系が合併した、ホーガン・ロヴェルズも掲載されている(最近では、日本の中小の法律事務所でもカタカナの事務所名を付ける先が増えているため、表記だけで外資系を見分けにくいかもしれないが、地道にひとつずつチェックしていくのは、DD作業等でも求められる重要なスキルのひとつだろう)。

また、世界的に巨大な会計事務所グループのBig4系の弁護士法人である、EY弁護士法人の名前も見付けることができる。

その他、大手法律事務所を巣立ってスピンアウトして設立された事務所をいくつも見付けることができる。増田パートナーズは、西村総合(現在の西村あさひ)出身の弁護士によって創設された事務所であるし、木村多久島山口は、アンダーソン毛利友常、TMI、長島大野常松といった国内大手事務所出身の弁護士によって設立された事務所である。

そして、欧米系ローファームの出身者が設立した事務所も見付けられる。サウスゲイト、ケイネックス、金川国際は、米国系事務所のパートナーまで務めた弁護士が日本で独立して設立した事務所である。

日本の中小事務所でも、特定の法分野に高い専門性を持った事務所の名前も見られる。危機管理・コンプライアンス分野で著名なのぞみ総合、インドも含めたアウトバウンドにも強い松田綜合、知財に強い窪田法律事務所、海事に強い小川綜合やエル・アンド・ジェイ、ファイナンスの三井法律事務所、そして、渉外法務の草分け的存在であるブレークモアから、最近になって脚光を浴びているサイバーセキュリティ分野で注目を浴びている八雲の名前も見付けられる。

これだけの事務所の求人情報が掲載されている「ひまわり求人ナビ」に対して、「企業法務系志望のアソシエイトには参照する価値がない」なんて言うことはできないだろう。

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