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「インハウス転向後に法律事務所に所属して副業できる余地を残したい」というニーズを聞いて

コロナ禍においても、「法律事務所での激務に耐えられないので、会社に転職したい」という相談を受ける。まだ、多くのアソシエイトにとって「会社員になれば、労働法の保護を受けた勤務ができる」という期待がある。

最近は、それに加えて「弁護士登録先は法律事務所に残して、時々でも、副業で弁護士業務ができると良い」という希望を聞くことも増えてきた。会社員一般について「副業/兼業」を認めていく方向性がある以上、弁護士資格を持った社員がその可能性を探りたい、という気持ちはよくわかる。実際、会社でも年功序列型の賃金体系の見直しが広まっており、「ポジションが昇進しない限りは、昇給もない」ということが増えているので(&残業を増やして稼ぐのも奨励されない時代なので)、「法律事務所の給与に近付けるための収入の複線化を図りたい」というニーズも理解できる(特にこれから子供が大きくなっていき、学費や教育費の増加が見込まれる世代には)。また、規制法の分野を想定すれば、他社の相談案件を外部弁護士として受任した経験値は、本業たる会社における法務部員としてのパフォーマンスを向上させてくれる可能性も秘めている。

ただ、「副業/兼業」の促進に熱心な企業は、実態としては、未だ一部に止まっている印象が強い。伝統的企業の多くにおいては、「副業をしている暇があったら、本業に集中してもらいたい」というのが本音であるし、幹部クラス(無資格者)からすれば「お前は弁護士資格があるから副業しやすくて良いな」という嫉妬の対象にもなりかねない。

そう考えると、「副業/兼業」は、「転職先の会社で、マネジメント力も磨いて、いずれは、法務部長に、さらにいえば、法務担当の執行役員を目指したい」というキャリア志向の方には、まだあまりお勧めできる選択肢ではない。

他方、「インハウス転向といっても、それは、法律事務所での激務から逃れるための当面のニーズを優先したものである」「会社員としてマネジメント職を目指すことに興味を抱けない。いつまでも自分の法務知識の専門性を最大の武器として一プレイヤーとして働き続けたい。」というエクスパート志向の方にとっては、(小遣い稼ぎの目的以上に)「いつまでも外部弁護士としての現役性を保つ」という意味において、「副業/兼業」はけっこう魅力的な選択肢かも。

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弁護士(第一東京弁護士会)で、キャリアコンサルティング&ヘッドハンティングをしています。著書「新・弁護士の就職と転職」(商事法務、2020年)。商事法務ポータルに「弁護士の就職と転職Q&A」を連載中 https://www.shojihomu-portal.jp/gyoukai