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『ひまわり求人ナビ』を読む(2)インハウス案件

人材紹介業者は、弁護士の転職相談者から「ひまわり求人ナビは役に立ちますか?」と尋ねられると、大体は「あれは、一般民事の事務所が利用しているものです」「債務整理系事務所の地方支店の募集ばかりですよ」という区分けで興味を失わせようとするか、それでも、自ら「ひまわり求人」で求人情報を得てきた人に対しては、「直接応募は書類選考で落とされるリスクが高い。」「転職エージェントからの推薦は一次選考通過の効力がある。」という便法で、なんとか自社を介しての応募を勧誘することになる。

でも、実際に、「ひまわり求人」で、「企業・団体等の求人情報」を検索してみると、意外にも、日本を代表するような企業の募集が掲載されていることに気付かされる。

https://www.bengoshikai.jp/kyujin/link06.php

2022年3月18日現在では、「企業・団体等の求人情報」に80件の登録がなされており、その検索結果の「企業・団体名」を眺めてみるだけでも、
・ 総合商社では、三井物産が載っていたり、
・ メーカーでは、日立製作所やパナソニックが載っていたり、
・ メガバンクでは、三菱UFJ銀行が載っていたり、
と、別にインハウスに転職する気持ちがなくとも、「こういう大企業のインハウスって、どのくらいの年俸なのだろう?ちょっと条件だけでも見てみようか?」という興味をそそられる。

そして、実際に個別の企業名をクリックすると、「給与(年俸)」の項目は空白であること多く、「なんだ、やっぱり書いていないのか」と、がっかりもする。

ただ、そこで諦めてはいけない。粘り強く個別情報のチェックを続けると、例えば、「日立製作所(課長相当職)」には、「給与(年俸)」「月額50万円〜」「年収1,000万円以上/課長相当職の場合」と記載されていたり、「LINE株式会社」には、「給与(年俸)」「7,000,000~10,000,000円程度」と記載されているのを見付けることもできる。

意外なのは、一流の外資系企業の採用にも、ひまわり求人が利用されていることだ。
一般に、「少子高齢化が著しい日本では、もはや国内マーケットに拡大が期待できるのはヘルスケア分野だけ」と言われることもあるが、ヘルスケアに限ってみても、フィリップス、GEヘルスケア、そして、グラクソ・スミスクラインなどの一流の企業名を見付けることができる。

では、「転職エージェントからの推薦は、一次選考通過の効力がある」というのは、本当か?
これも「中途採用に慣れている企業」にとっては、「せっかく応募してきてくれた候補者」に対しては(転職エージェントに選別してもらうことよりも)「自ら直接に書類を確認したい」と願うのが通例である。確かに、法律事務所であれば「弁護士業務で忙しいから人を雇いたいのに、採用のために仕事が増えたら困る」という事情はある。それでも(新卒採用でもないので)法律事務所の中途採用に何十人分もの書類が送られてくるわけではない。数通しか届かない履歴書の選別を転職エージェントに依頼するニーズはない。むしろ、採用側が、転職エージェントに期待するのは「自主的には応募意思が固まるには至らない潜在的に有望な候補者を、応募の入口まで連れてきてもらいたい」ということである。自ら「ひまわり求人」の情報を読んで、自社に興味を持ってくれた積極的な候補者を門前払いしたいわけではない(直接応募で門前払いされてしまうような候補者は、転職エージェントを介しても採用選考を通過することはできない。転職エージェントを介した候補者には「紹介手数料を支払ってでも採用したい」という意味での採用基準が上がる、と考えておいた方が良い)。

今後、時間があれば、個別企業の求人情報についても、「こんな読み方がある」というのを示していきたいな、と思っている。

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