「弁護士RECRUIT GUIDE2024」presents「WEB合同説明会」2024年2月11日(日)
令和5年の予備試験の合格発表が終わり、予備試験合格者を対象とする「新卒採用」活動の実質を備えたウインタークラークの募集がスタートしています。
「まだ司法試験を受けてもいない段階で採用活動をするのが適切なのか?」というのは、多くの関係者が疑問を抱くところです。しかし、「司法試験直後の8月1日には、狙っている受験生層がすべて大手四大事務所に囲い込まれてしまう」という切迫した状況においては「やむを得ない」と考えられています。
このように新卒採用において予備試験合格者向けの特別枠が定着していくことに対しては、「ロースクールのカリキュラムに沿って学習を進めてきたロー生を(予備試験合格組に)劣後化して扱うべきなのか?」という疑問も強くなってきています。もちろん、予備試験合格者が、短答式試験においても、憲・民・刑だけでなく、商法、訴訟法、行政法も含めた幅広い範囲を短時間にカバーして試験を突破してきた事務処理能力を備えていることはプラス評価できると思います(そういう意味では、「優れたアソシエイト」の資質を備えているという推測が働きます)。しかし、現実の弁護士業務においては、諦めが悪い粘り強さがクライアントから評価されることもあります(そういう意味では、「優れたパートナー」の資質はペーパーテストでは測れないと考えています)。
その点、今回、Business & Law合同会社がそのウェブサイト上で申込みを開始した「企業法務系法律事務所 WEB合同説明会」においては、この時期に開催しながらも、ロー生も参加対象に含めている意義は大きいと感じています。
参加事務所の中には、過去に、私が商事法務ポータルでインタビューを担当させてもらった先も含まれています。
例えば、阿部・井窪・片山法律事務所は、知財分野と事業再生分野で、国際的にも高い評価を受けている中規模事務所であり、「新卒採用でしか入所するチャンスがない」(中途採用をしているところを見たことがない)という家族的な雰囲気のある優良事務所の典型です。商事法務ポータルでは、2018年5月30日付けで片山英二先生のインタビュー記事が掲載されています。
また、Vanguard Tokyo法律事務所は、英国系のマジックサークルのひとつであるフレッシュフィールズの東京オフィスから、訴訟/労働部門が独立した事務所です。日本企業(使用者)側で著名な労働弁護士の多くが、大企業のレピュテーションリスクにも配慮して「保守的」なアドバイスを提供することに重きを置いているのに対して、Vanguard Tokyoは、外資系企業(投資銀行やT企業等)が欧米流の人事を断行せざるを得ない状況に置かれた場合にも、クライアントニーズを的確に理解した代理人活動を行ってくれることで業界内で頭抜けた評判を受けている事務所です。商事法務ポータルでは、2018年9月3日付けで、山川亜紀子先生のインタビュー記事が掲載されています。
新しい法分野で言えば、八雲法律事務所は、サイバーセキュリテイに関する最先端のアドバイスをすることでクライアントからきわめて高い評価を受けている事務所です。代表の山岡裕明弁護士が米国留学においてコンピュータサイエンスの大学院で修士号を取得した経緯等は、商事法務ポータルの2022年12月21日付けのインタビュー記事で紹介されています。
私がインタビューをしたことがある3つの事務所以外にも、Business & Law主催の説明会には業界でも定評がある、又は、勢いのある事務所が参加されています。
今回の説明会は、WEBベースであるため、「意中の法律事務所に対して自分のセールスポイントをアピールしたい」という熱意ある予備試験合格者には物足りないかもしれません。しかし、「まだやりたことが決まっているわけではない」「まずは、いろいろな種類の事務所から話を聞いて視野を広げたい」という純粋な情報収集目的の方にとっては「自分を売り込む必要がない」というのは、逆にWEBベースであることのメリットでもあるように思います。
同説明会では、私も、オープニングトークを担当させていただくことになりましたので、次回は、そのトークテーマについて紹介させていただこうと思っています。