文書_23

備忘録/弁護士の就職と転職/紹介業者の「負荷」価値

13年前、ぼくが、人材紹介業を始める際に、他者の作ったサーチ会社に参加したのは、
― 社長が採用側企業・法律事務所を営業に回り、自分が、若手弁護士層を回って、サーチ業務を担当する、
という分業体制が成立するという期待があったからです。

しかし、すぐに、それが無理だと感じました。

というのも、
― サーチ会社の社長にとっての良いクライアント=金払いの良い企業・法律事務所

― 候補者にとっての良い転職先
が異なることにすぐに気付いたからです。
(サーチ会社の社長は、当時、すでに悪い噂が立っていたボス弁からもアソシエイト勧誘依頼を受けており、「すでにリテイナフィーをもらってしまっている」と言っていたのが(悪い意味で)印象に残っています。)

そして、ぼくが、サーチ会社の社長に失望したのは、ぼくの同期が、プライベートエクイティファンドに転職した、というニュースを耳にしたときのことでした。

社長は、
「ちくしょう、転職した弁護士のことも、移籍先のファンドの代表者も知っていたのに、その移籍を仲介することができなかった!」
と悔しがっていました。

ぼくには、その行動の意味がわかりませんでした。
ぼくは、「人材紹介業者には、当事者同士では巡り会えないようなマッチングを成立させること」に『付加価値』があると期待していたからです。

でも、社長のイメージする理想像は、
「当事者同士だけで自然に成立するであろうマッチングに対して、どうやって紹介業者が首を突っ込んで関与して、そのマッチングに貢献したことをアピールして、紹介手数料を負荷するか?」
という部分にあることに気付かされたからです。これでは、紹介業者が提供しているのは、「負荷」にすぎないじゃないか、、、と、大きく失望させられたことを思い出しました。

(その後、独立して自分で紹介業をやってみて、「付加」価値を提供して、適正にフィーを徴収していく、ということの難しさを知らされることにはなるのですが(苦笑))


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