備忘録/弁護士の就職と転職/優秀なプレイヤー≠優秀な経営者
ひとりボス弁の事務所のシニア・アソシエイトからキャリア相談。ボスは、弁護士としては超優秀で、一流企業の依頼者も多数抱えているが、もう70歳を過ぎているのに、事業の承継はまったくなされていない、という事情を聞かせてもらう。
会社だって、70歳の法務部長はいないだろうから、執行ラインは、次世代、次々世代に引き継がれているはず。法律事務所の側だけが、いつまでもボスが現役でバリバリ、というのは、「永続性のある組織作り」の観点からは、「?」という印象を受けます。実際、ボスが元気なうちに次世代に承継しなければ、ボスの引退と共に、顧問契約も終わる、という事態が容易に想定されます。
外形的には、ジュニア・パートナー世代にとってみれば、「ボスからの顧問先の承継を狙うチャンス」のようにも見えます。また、経営コンサル的には、「自ら経営を続けるよりも、大規模な事務所に買収してもらうことで営業権を現金化する方策を考えませんか?」という提案でもしてみたいところです。
が、実際には、何十年も「案件も事務所経営もすべて自ら仕切る」というスタイルを続けてきたボスにとっては、依頼者の承継や権限の委譲を受け入れることに対する心理的ハードルはとても高いのだろうなぁ(ボスが大病でもして価値観を変えてくれない限りは)。
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