備忘録/弁護士の就職と転職/破断の理由
破断の理由

備忘録/弁護士の就職と転職/破断の理由

人材紹介業の役割には、以前の備忘録に書いた通り、
― 入口段階での熱意を水増しする、
というのもありますが、その後の展開としては、うまく行く場合だけでなく、当然のことながら、やっぱりうまくいかない、という場合もあります。

うまく行かない場合も、「両方とも特にピンと来なかった」ならば、巻き戻せばいいだけですが、
― 一方は、その気になったけど、他方は、その気にならなかった、
というのは、その手仕舞い方法に気を遣うことになります。

これには、
(a) 採用側はその気になってオファーを出してくれたけど、本人がそれを辞退する場合、
(b) 本人は転職する気満々になってくれたけど、採用側が「見送り」という判断をする場合、
があります。

前者(a)(本人の辞退)の場合には、採用側としては、(あっさり、「そうですか」と引き下がってくれることもあれば)後学のために、「じゃあ、どこに行くの?そこは、うちよりも高い条件を提示したの?」といった事情を知りたくなることもあります。

後者(b)(採用側の見送り)の場合には、本人から「自分のどこがダメだったのか教えて欲しい?」と食い下がられてしまう場合もあります。

間に入っている人材紹介業者としても、本人又は採用側から杓子定規なコメントしか聞かされないこともあります(本人が「オープンでないことを伝えたくない」と思うこともありますし、採用側も、単に「他にもっといい候補者がいただけ」という事情もあります)。この場合には、紹介業者としても、とりあえず、「自分もまだ聞かされていないので、今度、事情がわかったらご報告します」とだけ答えて、そのまま続報をできずに終わる、ということもよくあります。

他方、本人又は採用側から、詳しい事情を「実は、、、」として聞かされた場合に、どこまでそれを相手方に伝えるべきかは悩ましいと思わされることもあります(例えば、本人から「あの事務所について特に悪い噂を聞いた」とか、採用側から「本人についての悪い評判を聞いた」とか)。相手方に伝えることで、何かの今後の評判改善のためにできることがあるならば、オブラートに包んで伝えることもありうるのでしょうが、そうでないならば、単に、気分を害する結果に終わるだけなので、紹介業者の胸の奥に留めておくほうが無難なことが多そうです。


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弁護士(第一東京弁護士会)で、キャリアコンサルティング&ヘッドハンティングをしています。著書「新・弁護士の就職と転職」(商事法務、2020年)。商事法務ポータルに「弁護士の就職と転職Q&A」を連載中 https://www.shojihomu-portal.jp/gyoukai