外資系法律事務所の東京オフィス

備忘録/弁護士の就職と転職/外資系法律事務所の東京オフィスで働くことの魅力とは?

外資系法律事務所の東京オフィスのマネージング・パートナーと会食して、採用と営業の難しさを教えてもらう。

2004年、三井安田法律事務所がリンクレーターズに買収されたときは、
「日本のリーガルマーケットも、将来は、欧米系法律事務所が上位を占めるプレイヤーとなるのだろうな」
という未来像を描かせられましたが、それから15年経っても、今のところ、そういう状況にはなっていません。

国内系の渉外事務所が大量採用を続けて大型化し、規模(弁護士登録者数)だけで言えば、外資系法律事務所を突き放しました。

この20年間、欧米で弁護士のアワリーレートが上がるのとは無関係に、日本では、大手法律事務所が、弁護士の時間単価を据え置いたままで、最初は、M&AのDD業務で、次に、国際カルテルの調査業務で、ここ数年は、より広範囲な不祥事案件の調査業務で大量のアソシエイトを動員する人海戦術で、稼働時間でレバレッジをかけて売上げを最大化することに成功してきました。

もはや、欧米のトップファームには、国内系大手事務所とは、同じ土俵で勝負して勝とうという意欲すら抱いていないように感じられます。

では、若手弁護士にとって、今から、外資系法律事務所の東京オフィスに参加する意義はどこにあるのでしょうか?

パートナーになること自体は、その実現可能性からすれば、国内系法律事務所のパートナーになることよりも、欧米のトップローファームでパートナーとして認められることのほうがずっと要求水準が高くて難しそうな気がします(日本市場が拡大する、というシナリオも描きにくいことを加味すれば尚更に)。

むしろ、「将来の安定やアップサイド」というよりも、欧米の一流弁護士と共同して仕事をすることで知的な刺激を受けることで、成長することに目を向けるべきなのかもしれません。

ただ、そこでいう「成長」の先に、具体的にどのようなキャリアのシナリオを描くべきなのか。そのファームでのパートナーなのか、それとも外資系企業のインハウスへの転職なのか、国内系事務所のパートナーポストなのか、自らの法律事務所の設立なのか、国内系企業への転職なのか。欧米系トップローファームでの勤務を通じて得た経験と人脈が、その後のキャリアにどう生きてくるのか?については、もっと勉強していかなくては。

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