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備忘録/「転職者目線」で人材紹介業は成立するか

ぼくが、人材紹介業を始めたきっかけは、「自分自身の転職活動」の延長線でした。

13年前、次男が障害児として生まれて、心臓の手術もしなければならないし、長男は川崎病になるし、母親は大腸ガンになるし、「前世で何か悪いことでもしたのかな・・・」と凹んでいた時期に、「とりあえず、現職(大手法律事務所)でパートナーを目指して馬車馬のように働くのは無いな」と判断しました。

当時から「ワークライフバランス確保→インハウス」という連想ゲームが存在していたので、企業への転職を第一目標に据えて、いろんな人材紹介業者に相談しました。当時は、まだサブプライム問題/リーマンショックが起きる前だったので、人材紹介業者も熱心に勧誘してくれました。

ただ、エージェント10名以上と会った結果として、ぼくがもっとも強く感じたのは、「あぁ、こいつら、紹介手数料を得たいだけなんだな」ということでした。ランチミーティングで、子供の障害と実母の手術で病院通いが大変だという話を1時間フルにした挙句に、エージェントから「あなたにぴったりなのは」という前置きで挙げられた先が、ハードワークで著名な日本最大手の法律事務所だったときには、思わず「あなた、ぼくがこの1時間話していたことひとつでも聞いてくれてました???」と問い直してしまいました。

そして、散々、エージェントに相談をした挙句に、ぼくは、もっとも信頼できそうなエージェントに対して、「ぼく、そちら側(エージェント側)に回りたいです」という提案をしました。パワポで、「シニア・アソシエイトの転職を、年間8名(四大法律事務所から2名ずつ)成立させて、平均年収1500万円の30%(450万円)の8名分で年間3600万円の売上げを立てられる!」という事業計画を作って、完全歩合給制のパートナーに加えてもらいました。

当初、ぼくは、
「クライアント(採用側である企業や法律事務所)開拓は、社長に任せて、自分は、候補者(若手弁護士)のプールを作る、という分業体制でやればよい」
と安直に考えていました。

でも、この考えは、あっさりと崩れ去りました。
社長にとっては、「よいクライアント」とは、「金払いのよい先」であり、決して「転職相談者にとって働きやすい先」ではないからです。

そして、「自分が相談者の立場だったら、自分でも行きたいと思える先だけ紹介したい」ということを基本コンセプトに据えて人材紹介をする、と誓って、自ら、有料職業紹介事業の許可を申請することにしました。

あれから、早くも13年が経ち、今年の年末に3度目の期間満了(3年+5年+5年)を迎えることになり、先日、更新申請の書類を提出してきました。

初心を忘れないための備忘録として。


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弁護士(第一東京弁護士会)で、キャリアコンサルティング&ヘッドハンティングをしています。著書「新・弁護士の就職と転職」(商事法務、2020年)。商事法務ポータルに「弁護士の就職と転職Q&A」を連載中 https://www.shojihomu-portal.jp/gyoukai