法律事務所の面接で「将来、独立したいの?」と尋ねられた場合の回答例
法律事務所の面接で尋ねられる質問は、2通りに大別できる。
それは、
― 自分の過去に関する質問
― 自分の将来に関する質問
の2通りである。
このうち、「過去に関する質問」は、どこまで詳しく話すべきか、真実を語るべきか、という問題はあるが、
― 答えられなくて困る
ということはない。
他方、「将来に関する質問」は、(どこまで詳細に詰めておくべきかは別として)一応、
― 一定の方向性
を準備しておかないと、面接後に、
― あぁ、やっぱり、こう言えばよかった、
と後悔することが多い。
そのうち、
― どんな法分野の仕事をやりたいの?
については、以前の記事でも述べたとおり、
― ●●法に興味があるので、機会があれば、案件に携わりたい、
― でも、若いうちは何でも勉強になると思うので、それに限らず、何でも全力で取り組みたい、
という二段階構成が模範回答とされている(「興味分野がひとつもない=問題意識が薄い」という印象を回避し、かつ、「専門分野しかやらない=偏狭」という印象も回避する策である)。
就活生にとって、回答の難易度が高い「ひっかけ」的な質問が、
― 将来、独立したいという気持ちはあるの?
だ。
普通に考えれば、
― 独立したい=いずれ事務所を辞める予定がある
と見做されるので、
― いえ、独立したいという気持ちはありません
が模範回答のようにも思える。
ただ、(一世代で終わる個人事務所ではなく)「永続的な維持発展」を目指す法律事務所においては、
― いずれはパートナーを目指してもらいたい、
という人材育成の目標もある。そこでは、
― 事務所に食わせて貰いたいと思っているような扶養家族ばかりを増やすわけにはいかない、
という事情がある。
つまり、理想の法律事務所は、
― 扶養家族の集合体の弱者連合
ではなく、
― ひとりでも独立して食っていけるパートナーが集まった集合体
である。
そういう意味では、
― 独立したい(自分の名前で客を獲れるようになりたい)
という回答の方が、実は「半分正解」と言える。
そこで、私は、ここでも、二段階構成をオススメしており、
― 弁護士になった以上は、自分を信頼して依頼してくれるようなクライアントを開拓していきたい。そういう意味では、独立できるようになりたい。
― ただ、「独立」と言っても、それには「●●(自分の名字)法律事務所」を設立する必要があるとは思っていない。自分に専門性が足りない分野を他の弁護士に補ってもらえる共同事務所の方がクライアントのニーズにも応えられる。そのため、事務所内で独立するイメージで、一パートナーとして、自分の名前でお客さんを獲れる弁護士になりたい、
という回答例を提案している。