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柴田堅太郎・中田裕人『カーブアウトM&Aの法務』(中央経済社)を読むことが、大手法律事務所等への就活準備(ディールロイヤーとしての適性についての自己分析を含む)の定番本になるだろうと思った話
予備試験合格者から「企業法務系事務所への就活に向けて何をしたらいいですか?」とか、大手法律事務所の内定を得ている司法修習生から「裁判所から誘われているが、自分が裁判官と企業法務弁護士のどちらに向いているかをどうやって判断すればよいか?」という相談を受けることがある。 これまでは、相談者の関心に即して、ケースバイケースでコメントを考えていたが、今後は、しばらく、「とりあえず、『ストーリーで理解するカーブアウトM&Aの法務』を読んでみたら」というアドバイスを繰り返すことになりそ
「インハウス弁護士の役割は『複数の外部事務所から相見積もりを取ってリーガルフィーを引き下げて予算を節約すること』にあるわけではなく、優秀な外部弁護士との間で『いざという時』には無理を聞いてもらえるような友好な関係を維持することにある」と考えさせられた話
経営法友会で「インハウスロイヤーのキャリアプラン」というインタビュー企画を担当させてもらった。 会報(2022年11月号)には、その感想文を掲載させてもらったが、インタビューを通じて、ひとつ、強く印象に残ったコメントを会報には載せなかった。それは、野尻裕明弁護士(日本たばこ産業/JT)へのインタビューで聞かれた、次の言葉である。 野尻弁護士のコメントを、私の理解した言葉で説明させていただくと、 ・ 社内弁護士自身も『これは無理なお願いだなぁ』と感じながらも、外部事務所にそ
若手弁護士がキャリア選択において「教育/研修制度」(それも上辺だけの)を重視し過ぎているのではないか?と感じている話(商事法務ポータルで染谷隆明先生(池田・染谷)のインタビューを担当して)
前回、「優秀な人は、どこにいても、面白い案件に遭遇して(立場に関係なく)自分で学んでいる」とコメントした。 商事法務ポータルで、今朝、公開された染谷隆明弁護士(池田・染谷)へのインタビューでは、自分のその考えが補強された。 インタビュー内で、染谷弁護士は、カカクコムの社内弁護士として働いていた時期に、顧問弁護士だった故田淵智久先生から、企業法務弁護士としての優れたリーガルアドバイスの提供のあり方を学ばれた、と語っている。 染谷弁護士が、現在、大企業を含めたクライアントか
弁護士のファーストキャリアは何でもいい?(長島・大野法律事務所のファウンダーが司法試験合格後にまず会社に就職していたのを知っていますか?)
商事法務主催の無料オンラインイベントが11月11日(金)18時(午後6時)から開催される。「これからの時代に求められる企業法務弁護士のキャリアと働き方」という大上段に構えたタイトルの座談会に、ぼくも登壇者の一人に呼んでもらえて、先週、顔合わせのオンライン打合せがあった。 イベントでは、キャリア論として「どのような事務所がファーストキャリアによいか?」といったテーマが想定される。 でも、実際のところ、大成した弁護士について言えば、 とも思わされる。 ぼくは、商事法務ポー
「優れたアソシエイト」と認めてもらえなくとも、「優れたパートナー」になることはできる?(商事法務ポータル伊藤雅浩弁護士インタビュー)
先週、商事法務ポータルにて伊藤雅浩弁護士(シティライツ法律事務所)のインタビュー記事が公開された。 ログイン後に閲覧できる「第3部 司法試験と就活」のパートでは、伊藤弁護士ですら、就活においては、 という苦労話が語られている。 社会人経験のあるロースクールの未修コースの学生がこれを読むと、 という諦めモードになってしまうことが懸念される。 でも、このコメントから、違う意味を読み取ってもらいたい。つまり、それは、 という点である。 『優秀なアソシエイト』というのは