西田 章..
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なぜ、採用側の手先を「転職エージェント」と呼ぶのか?
人材紹介業をしていながらも、自分は「転職エージェント」という呼称が嫌いだった。
採用側から依頼されて、候補者を勧誘して、転職させることができたら、成功手数料を貰う。完全に「採用側の手先」である。そういう業者が、どういう顔をして「あなたのエージェントです」と言えるのだろうか?
ただ、だからといって、「人材紹介業者が、候補者の利益を食い物にしている」とは思っていない。「ブラックな職場でも転職を実現
企業法務系弁護士は一般民事系弁護士よりも『優れた仕事』をしているのか?
法科大学院の学生と話すと、
「企業法務は、一般民事よりも優れている」
という序列意識の存在が窺われることがある。
確かに、一流の法科大学院には、企業法務系の法律事務所から、各法分野の第一線で活躍されている「見栄え」のする弁護士が実務家として教員に派遣されているため、
― 企業法務に携わる弁護士は頭が良くて、プレゼンも上手い、
という印象を学生が抱くのは理解できる。
また、業務に必要となる法律知
弁護士のキャリアは『学歴』で決まるのか?
「法律事務所の採用の書類選考は『学歴』でほぼ決まってしまう」ということを言っていたら、
― だったら、弁護士のキャリアは『学歴』で決まってしまうのですか?
という非難めいた質問を受ける。
これに対する私の回答は、割とシンプルで、
― アソシエイトの市場価値は、わりと『学歴』で決まってしまう(のは受け入れざるを得ない)。
― でも、パートナーの市場価値は、弁護士になった後の実績で決まる(ので逆転可
商事法務ポータル「著者に聞く!伊東祐介弁護士『新規株式上場(IPO)の実務と理論』」(2022/06/08)
商事法務ポータルに、伊東祐介弁護士のインタビュー記事を掲載していただいた。
伊東さんは、東証勤務時代の経験に基づいて執筆された「新規株式上場(IPO)の実務と理論」を、今年4月に出版されている。その本に基づいたセミナーを商事法務で収録されていたので、その収録現場にお邪魔して、収録を終えたばかりの伊東さんに(短時間ながら)インタビューをさせていただくことができた。
伊東さんに東証勤務時代の話をお
年俸2000万円の会社員よりも、売上2000万円の外部弁護士の方が幸せなこともある
所得金額だけを比較すれば、
― 法律事務所で年間売上2000万円の外部弁護士は、年間経費780万円(月額65万円)を費やしたとすれば、所得は1220万円になってしまうので、年俸2000万円の会社員よりも幸福度は低い、
という見方になる。
でも、実際には、必ずしもそうではない。その理由として、すぐに思い当たるものが2つある。
ひとつは、
― 会社員の市場価値は「年俸」で測られるが、外部弁護士の価
弁護士は年収を上げれば幸福度を高められるのか?
企業法務系弁護士は「将来は、上場企業の役員報酬の水準に匹敵するほどに経済的に恵まれた生活を送れるようになりたい」と願う学生には挑戦する価値がある職業である。しかし、(サラリーマン役員の報酬水準を超えて)「自分の資産を数十億円規模まで膨らませること」までの野心を持った学生には向く職業ではない。弁護士の仕事は、所詮は「自分の時間の切り売り」の域を脱することができない。お金を稼ごうとしてもレバレッジが効
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